ひとりのモヤモヤを一人だけのものにしない。

支援者向け講座

昨日はフリー保健師勉強会の講師を務めさせていただきました。
中予地区で臨時職員として母子保健事業(乳幼児健診・相談)に従事されている保健師さんと学びを共にしました。

私よりも大先輩の皆さんにお話するのは恐縮でしたが、事前にいただいたご質問から感じる学びへの熱量、そしてこの勉強会を企画してくださった方々の思いに私も精一杯お応えしたいと臨みました。

母子保健事業でモヤモヤしたことを本などで調べるけどなんだかしっくりこない。
本などで調べても親御さんにわかりやすく伝えるための情報が少ない。

「あれで良かったんかな…」
「みんなやったらどう応えるんやろう」
「実は私も赤ちゃんの発達のことを学びたいと思っていた」
「親御さんのお役に立ちたい」
「保健師さんにまた相談してみようと思っていただけるように知識の引き出しを増やしたい」

ひとりのモヤモヤを一人だけのものにせずに、みんなでシェアしてモヤモヤを学びや引き出しに変えていこう!というのが今回の勉強会です。

ネットではいろいろ書かれることもある「保健師」だけど(苦笑)
他職種には「保健師は…」といろいろ言われることもあるけど(苦笑)

まっすぐな思いで従事されている保健師さんもたくさんいらっしゃいます。
いや、みんなまっすぐなんだけど、そのまっすぐさが時に行き違いを生むこともあるという感じでしょうか(苦笑)

講座後に「できるかできないかだけをみるのではないんだよね。どうしても流れ作業的になってしまっているなぁ」「できない時の方向性の話を聴けて良かった~」とお話してくださった方もいらっしゃいました。

私は乳幼児健診や相談の在り方は転換期にあるなぁと感じています。
女性の身体が変化していて、胎児の姿勢もまぁるい子ばかりではなくなってきている。
生まれた時には向きぐせが既にあって、4か月相談に来てもらった時点でうつぶせ姿勢は左右どちらかに傾いている(お子さんもいらっしゃいます。もちろん全員ではありません)。

「片方しか寝返りしません」「寝返り返りをしません」「ズリバイを飛ばしました」「ハイハイをあまりせずにつかまり立ちをしました」「ズリバイやハイハイは片足をメインに使っています」等

赤ちゃんの発達には「順序性」「連続性」があると言われていますが、
地域に出てみると親御さんの認識は変わってきていて、「首がすわったらそれ以降はその子によって順番が違うと聞きました」「特に気にしていない」「寝返りをしなかったけど特に問題なく元気だから大丈夫」という声も聞かれ、その中で私はどう在りたいかを問われることになりました。

「できる」ことだけを目指すと親御さんも支援者も息詰まってしまうことがあります。
どう育つかは赤ちゃんが決めます。でもそれは赤ちゃんが今ある環境の中で仕方なくそうせざるを得ない、赤ちゃんが無理して適応してくれている場合もあるので、赤ちゃんは子どもたちはどんな気持ちなんだろうと、子どもたちを主語に考えてみることも大切かなと思っています。

そんなことを働きかけたり伝えたりするのも保健師だからできることってあるよなぁと感じています。

「できる」と「できない」の間を見ようとすると見えてくるようになる。
これは意識することが大きく関係していると思うのですが、続けていると赤ちゃんが持っているチカラに気づけるようになります。赤ちゃん今こんなチカラをもっているよ!こんなチカラが芽生えているよ!親御さんに伝えると嬉しそうです。へぇ~!と驚かれることもあります。

発達のスクリーニングの中に、赤ちゃんのもつチカラについてお伝えする一言があると、親御さんの「検査される」「チェックされる」という緊張もあれ?と和らぐかもしれません。

乳幼児健診や相談の目的は、病気や障害の早期発見だけではなく、赤ちゃんのチカラを親御さんとシェアすること、健康づくりの専門職として赤ちゃんの身体や親御さんの身体を大切に守っていこうと働きかけること、医学的な側面だけでなく生活をみる視点をもつ保健師だからこそできることがある。私はそう思っています。

健診や相談から気になることがあればそれに寄り添える受け皿づくりも地域でできないかなと模索しています。親子で楽しいからだあそびや感覚あそびをできる機会を増やしていきたいなぁと思っています。また、健診や相談という枠組みからスタートするのではなくて、もっと生活の動線の中にそれがつくれないか。なんてことも考えたりしている今日この頃です。

とはいえ、たくさんの対象者がいる乳幼児健診や相談で親子さんとどう向き合っていけばいいの?泣かれた時はどうしたらいいんだろう?問診ブースにいる私にできることは?保健指導のブースにいる私から親御さんにどう伝えたらいいの?

皆さんのモヤモヤ、一人では職場ではちょっと解決できそうにないなぁと思ったらお手伝いさせてくださいね。

職場研修や自主研修のご希望も承ります。
下記からお問い合わせください。

むぎゅハウスへのお問い合わせ

    コメント