ほけんし赤ちゃんと子どもの発達講座メールマガジン VOL.7
健診のアンケートに「困っているくせがある(指しゃぶり)」にチェックが入っていたため、「どんな時に指しゃぶりをしますか?」と尋ねる。
「寝るときだけ」「寝るときとテレビを見ているとき」というのが多い印象。
問診時に私たちの目の前で指しゃぶりがみられるとかみられないとか、指しゃぶりの頻度がだんだん減ってきているかというのもアセスメントの参考になる。
対象者:Aちゃん、お母さん(ある特定の個人を示すものではありません)
「お母さんはどうしたいと思っていますか?」と尋ねたところ、「周りの人は指に苦いものを塗ってやめさせたと言っていたが、私はそこまでしてやめさせなくてもいいかなと思う」と話した。
学んだこと感じたこと
ストレートに聴くと母の思いが聴ける。どの程度困っているのか、どのくらいやめさせたいと思っているのかを明らかにすることが大事。
実は困っていないことも…
アンケートには「困っているくせ」とあるので、つい私たちは困っているなら相談にのって解決へと考えてしまうが、よくよく聴いてみるとそこまで困っていないケースもみられる。
それならアンケートにチェックしなくてもいいのに…と思わなくもないが、「指しゃぶり」という項目がある以上チェックを入れざるを得ないという回答者の感情もあるのだろうと思う。だって書いてあるじゃないか!と。
指しゃぶり=やめさせる?
指しゃぶりをどうやめさせるかを話し合う前に、親御さんがどの程度やめさせたいと思っているのかを聴いてみる。そもそも指しゃぶりをやめるのは誰なのか。指しゃぶりはやめさせるもの?やめさせないといけないもの?困るもの?困っているのはそもそも誰?
まずは私たちの凝り固まった頭をやわらかくしてみる。長年の思い込みを少し外してみることから。
もちろんこれまでの経験も大事なもの。捨てる必要はない。
勇気を出してちょっとだけいつもと違う言葉を親御さんに投げかけてみると、思わぬ応えが返ってきて面白いこともある。短い時間でも親御さんの人となりが少し見える。
親御さんが良い親にみられたいというシールドを少しだけ外すことができれば、お互いにとって心地よい対話ができる。それが健診に来てよかったにつながる。
しばらくこのシリーズが続きます…
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